2013年03月03日

無限の住人(30)

無限の住人(30) <完> (アフタヌーンKC) [コミック] / 沙村 広明 (著); 講談社 (刊)
「お前のおかげでやっと名前を思い出せたぜ」

凛の復讐物語、ついに終劇です。
あとがきで知りましたが連載開始から19年半(!)通しての最終回だったそうですね。
私は途中参戦で、きっかけは何だったのか思い出せませんが学生の頃に出会った漫画でして。
途中ダレたとはいえ面白く読ませていただきました。

とりあえず凛の目標は達成できた…ということで初志貫徹で終われて良かったかなと思います。
途中これどうやって終わらせるんだろうという心配もしましたが(笑)
色々ありますが、ああいう終わり方で満足…かなぁ、と。
でもそれに至るまで…特に最後の万次さんと凛の別れの描写が全く無かったのがとてもとても残念。
凛から万次さんへの思いは描写されてましたが、万次さんから凛への思いが抜けてて
そこ省いちゃなんねーだろうよ…!何のために30巻まで付き合って来たのさ!…っていう感じです。
凛にとっては人生を変える出会いで深く爪痕をのこす記憶だったろうけど
万次さんにとってずっと続いていくであろう生のほんの短い間に起きた出来事って感じなのかな…?
そんな事はない、と思うんですよ。
万次さんにとっても濃密な月日だったはずなんだと思うんですよ。
もう万次さんの手を離れたのだから、って事であえて省いたとか?
この物語は「凛の復讐劇」で復讐を果たす事が第一目標であり、そこが一番の見せ場…なのかなぁ。
確かにその場面はキッチリ描かれてましたし、演出や表情とか良かったです。
でも復讐劇ではあるけど凛の成長物語でもあると作者さんが前に語っていたような気がしたので
万次との別れが凛の旅の終わりであり成長したあかし、即ち最大の見せ場でもある…と思うのですよ。
なーんかね〜ガッカリ感はんぱないんですよね〜。

最終回はそれから90年後…どんだけ進むんだよ!と思いましたが、それでも万次さんは健在でした。
京都で逸刀流みたいなやつに〜って、もしかしなくても新撰組だろというツッコミはお約束でしょうか。
そして天津さんの腕はいつの間に万次さんの腕になってたんだ(笑)

万次さんと同じく健在だった八百比丘尼…彼女に連れられて来た布由は凛の子孫で、
その子から手渡された小刀には炎(凛の着物の柄)と卍のマークが…っていう憎い演出が
グっときたので、そこは良かったなと。
(でもそれ別れた時に渡せばよかったのにとか…)(しつこい?)
その子に小指の先が無いのを問われ、90年という歳月の間に薄れてしまった腕の持ち主の
記憶がよみがえり、その手と凛の子孫の彼女が手を繋いでまた旅が始まる…という綺麗な終わり方でした。
天津さんの事だけじゃなく凛も思い出した、と思ってもいいよね。
カバーを外すとその後の二人(プラス5年…7年くらいかなぁ)が垣間見られるのも良かったです。
30巻の扉絵(あの場所何ていうんだろう)とリンクしてるのも心憎い!

作者さんの他の漫画は「おひっこし」は良かったですが「ブラッドハーレーの馬車」が
ちょっとアレだったのでそれ以降の漫画は控え気味。
(内容は知ってたけど実際読むと…でした)
今連載中のは面白いのかな〜。とりあえず様子見です。
なんにしても連載お疲れ様でした!
今度一巻目からじっくり読み返そうかと思います。
posted by ハナ at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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