![予告犯 3 (ヤングジャンプコミックス) [コミック] / 筒井 哲也 (著); 集英社 (刊) 予告犯 3 (ヤングジャンプコミックス) [コミック] / 筒井 哲也 (著); 集英社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51sx0APNbNL._SL160_.jpg)
「俺の望みはそれだけだ」
1巻目を読んだ時すごくワクワクして、
2巻目を読んでちょっとダウンして(シーガーディアンとノビタのせい)
3巻目を読んでうわぁああー!こう来たかー!ゲイツー!!!
という感じで楽しめた作品であり、キチっと計算された印象の漫画です。
ヒョロの父親の件もあったので、もっと続くのかと思っていたのですが
最終巻だと気付かずに最後のページまで読んでしまいました。
ああいう終わり方もアリかなという感じでしょうか。
(読者によってオチの捕らえ方が違う的な)
私は基本的にハッピーエンドが好きなので、読んだ後ため息が出てしまいました。
この作品は犯罪を扱っている以上、完全なハッピーエンドはあり得ない…のですが
希望のある終わり方なのでモヤモヤが残りつつも楽しめました。
そのモヤモヤ感もなんだか切ないという感じで、物語上必要なモヤモヤ感というか。
マイナス的な感情ではない、といっておきます。
あの四人には幸せになってもらいたかったんだよ…。
主人公サイドの四人組、ゲイツ、カンサイ、メタボ、ノビタ…彼らは犯罪者です。
殺人や拉致監禁、サイバーテロ…一番最初の殺人は偶然(?)でしたが
その他はすべて一つの目的のため積み上げられた犯罪。
それが明かされた3巻。
もうね、口に出ました、うわぁーって。
世の中の不の感情がちょいちょい描かれているので、いつもボヤキの多い私も
わかるわぁ…みたいな感じでモブのネット民に同調してしまったり。
ゲイツ陣営と警察陣営、どちらの視点でも楽しめますが私はやはり主人公に
肩入れしてしまうのでゲイツ達にいいぞもっとやれ!的な感情を抱いていました。
まぁ漫画だと割り切っているからでしょうけど。
実際こんな事件があったらそう思えるかどうか…。
リアルな舞台設定が「実際ありえてしまいそうな出来事」への説得力になって
さらに作中に散りばめられたパロディ(ニコニコ動画とか)がそれに一役買っています。
キャラクターはリアルめの等身で、背景も細かく書き込まれ更にリアルへ近づけているような。
ただトーン多用でベタが少ないのでやや見づらいかもしれません。
が、画力の高い作者さんだなと思います。ゲイツ格好良い。(そこかよ)
他の方のレビューを見た中にアニメの「コードギアス」を連想させる、という意見がありましたが
なるほど、と思いました。確かに。
でも私は「うしおととら」の「泥なんて何だい!」をまっさきに思い出してしまいました。

うしおや真由子の「泥なんて何だい」とゲイツのそれは根本的に違うとは思いますが
それでも頭によぎったんですよねぇ。
読み終わったあと、作者さんの名前で検索してサイトを覗いてみてビックリ。
あのダズハントの作者さんと同じ方とは!
でもなんだか納得してしまいました。
似通ってるもの…漫画の面白さと後半の「うわぁ」感が!
犯罪モノや痛々しい描写に耐性があって、短い巻数で面白い漫画を読みたいという方におすすめです。